社会人から特別免許状で教員を目指すブログ

社会人から特別免許状取得により高校教員を目指すブログです。情報が少ないので自分が調べたり体験した内容を記載しています

特別免許状前提の教員採用試験の内容

 私の受験した3か所の自治体の内容について記載します。受験科目は理科です。

茨城県

②愛知県

京都市

 

 

茨城県 1次、2次合格

1次試験:教職専門のみ、教科専門は免除

マークシート方式

・配点は教職専門150点、教科専門200点(免除の場合は満点扱い?)。

・茨城以外にも東京会場や名古屋会場で受験可能です。

・教職専門は自己採点で7割でした。

 

2次試験:集団討論、個人面接、小論文

<集団討論>

・集団討論は10人前後のグループ(同じ理科の一般受験者)で一緒に討論する。

・テーマは「47都道府県のブースを出展して来場者数1位になるには」

・教育色の薄いテーマで他参加者も面食らったとのこと。一般受験者はしっかり訓練して来ていて、自己主張しつつも周りの意見を聞こうとする人が多いのでやりやすいかと思います(運次第では、他者否定し続ける大変な人と一緒になる場合もあるそうです)。

 

<個人面接>

・1次試験合格後、自己PR書を記載して送付する。

・面接官3人、1人は主に自己PR書の内容について、1人は学校について、1人は自分の高校生活について、みたいな感じでした。一般受験者の場合、模擬授業か場面指導があるとのことでしたが、私の場合はありませんでした。

 〇自己PR書のICTの利用が3点(4点満点)なのはなぜか?むしろ得意では?

 〇部活等教員の長時間労働も問題となっているがどのような印象を持っているか?

 〇高校時代の経験で教師を目指したのか?

 

<小論文>

・2つの文書を読んで、共通する内容とそれに対する自分の意見を書く。

・文章はA4 1枚ずつ程度あり、読み応えがあります。読解力がある人なら短時間で要点を把握して、余裕をもって書き終えることができると思います。茨城県独自のスタイルのようですが、個人的にはとてもいいスタイルだと思います。

 

②愛知県 1次不合格

1次試験:教職+一般教養、教科専門、小論文(2次試験用)

・筆記はOCR方式(番号を書くマークシートみたいなもの)

・配点は教職教養100点、教科専門100点。

・社会人経験者枠で加点+10点

・結果はどちらも約7割で落ちました。おそらく受験生の平均点程度だと思います。高校の倍率は約7倍でしたので、上位30%くらいには入る必要があったと思います。

 

<教職+一般教養>

・穴埋め式の選択問題です。2つの問題に対し、正解の組み合わせを選択する形式で、全組み合わせ(例えば4択×4択→16通り)から選択するので、けっこう難しいです。過去問も解いていたのですが、問題の大半が教育指針等からの出題になっており、教育史や教育原理等の問題はほとんどなかった印象です。一方で選択肢の内容が易化しており、明らかに違うものが多くみられました。おそらく、ノー勉でもしっかり勉強していても、間違える場所はほぼ同じになるのではないかと思います。得点差がつきにくく、平均が高かったのでは?という印象でした。

・一般教養は例年通りかと思いました。

 

<教科専門(理科)>

・4科目(物理、化学、生物、理科)の共通問題と1科目選択の選択問題からなります。志願時に理科の科目も記載するのですが、選択問題はどの科目でもよいようです。

・私はセンター試験の過去問(化学基礎、物理基礎、生物基礎、地学基礎)を勉強して臨みました。生物、地学は高校で履修していませんでしたが、センター試験の問題と同じ問題もありましたので、少しでもやっておくべきだと思います。

・化学は高分子まで勉強できておらず、選択が高分子の問題だったため、物理を選択しました。

 

京都市 1次、2次合格

1次試験:個人面接、筆記は免除(代わりに論文予定だったが、コロナの影響で中止)

・特別免許状前提の受験者は別枠評価のため、配点は特に意味なし。

 

・入室するなり「あなたは新年度に着任して初めてのクラスでHRをします。あなたの経験も交えて自己紹介してください」との場面指導?。考える時間もなく、普通に初対面の人に挨拶しただけになりました。

 面接でこういった場面指導は多いようですが、実際に同じ状況になったら、前もって話の内容準備すると思うんですよね。内容よりは沈黙してしまわないか、とかを見ているのでしょうか?

・面接は対話的に行われました。1問1答ではなく、答えた内容にどんどん質問がくる感じです。

・一番困ったのは場面指導です。「ある生徒の親から学業に専念させたいので部活を辞めさせたい、と相談があった。どう対処するか。」(もう1~2問あったが失念)。自分でしゃべりながら、面接官の顔を見ると、間違ったこと言っているのではとどんどん不安になります。正解のない問題ではありますが、私の場合は対話を心掛けることを中心に話したと思います。

 

2次試験:集団面接、小論文、模擬授業

<集団面接>

・理科の一般受験者5名程度と一緒に、あるテーマについて議論し、時間内に結論をまとめます。

・テーマは令和4年度から始まる新学習指導要領について、令和2年の時点で授業内容と評価方法についての準備として何をやっていくか、というものでした。

・司会を決める必要があるのですが、ここでもしっかり訓練された受験生が手を挙げてくださって、議論はスムーズに進みました。一般受験者の方は本当によく準備されています。

 

<小論文>

・例年通りです。ICTをどのように利用するかと、自転車の飲酒運転をどう考えるか(100字程度)でした。

 

<模擬授業>

・当日に理科の教科書の一部が配布され、指定された範囲の指導案を80分で作成します。

・理科は4科目分配布されるので、得意な科目で実施。

・指導案作成後、すぐに模擬授業なのかと思っていましたが、実際には朝一で指導案作成、午前中は集団面接、昼休み挟んで午後に模擬授業という流れでした。午後も1人ずつ試験を受けるので、自分の番は15時頃となり、授業での立ち回りを考える時間は十分にありました。

・指導案は難しいですね。ネット上で指導案を検索するとたくさん出てきますが、理科の場合、実験授業の指導案はたくさんあるのですが、ただ授業をする場合の指導案はほとんど出てきません。今回、化学基礎の範囲は「半反応式」だったのですが、教科書には様々な物質の半反応式が紹介程度に羅列されているだけで、正直何を授業しないといけないのかよく分からなくなりました(私の受験当時は暗記必須だったと思うのですが、化学基礎に変わって入試に出るのかも分からない状態でした)。ワークシートで半反応式の作り方を勉強してもらうことにしましたが、指導案は8割、板書計画は半分程度しか記入することはできませんでした。

・模擬授業は、半反応式に関連して、釘の錆について考える導入にしました。面接官の反応を聞いても、内容が難しすぎるようでした。頭の中では、こんな授業すると面白いのでは?と考えるのですが、やはり生徒の受け取り方には大きなギャップがあると思いました。

・指導案作成~模擬授業では授業力の無さを痛感します。やはり実践経験がないので理想と現実のギャップを把握したり、それを埋めることができません。コロナの影響がなければ、おそらく他の受験者の模擬授業を見る(生徒役として)こともできたと思います。それができなかったのは残念でした。