社会人から特別免許状で教員を目指すブログ

社会人から特別免許状取得により高校教員を目指すブログです。情報が少ないので自分が調べたり体験した内容を記載しています

内定後の動き2

・特別免許状申請

 以前の記事に書きましたが、以下の流れで申請を行いました。

 申請用書類作成(10月) → 授与協議委員会(12月) → 合否決定(2月)

 申請書類は、履歴書、自己推薦書、研究概要等です。書類提出後の授与協議委員会に出席して面接する必要はないようです(必要書類や面接有無は自治体によって違うかもしれません)。

 

 履歴書や自己推薦書、研究概要等は自分で作成し、一度教育委員会の担当者とオンライン会議で内容について確認を行いました。自己推薦書は、教員採用試験の願書で似たような文書を作成したので、それを流用しました。研究概要は会社で行っていた研究を記載しました(公開済み論文等公知のものを使用)。専門的な文章よりは平易な文章の方が良いとのことでした。

 

 その後、教育委員会の担当者が授与協議委員会へ出席し、委員(大学教授等)で協議が行われたようです。私は出席せず、後で感触を担当者から聞きました。2月に合格の通知があり、特別免許状の授与申請を行いました。授与日は4/1になるそうで、勤務校で受け取るようです。必要なものは、以下の通りです。

・申請書(要収入証紙5090円)

・人物に関する証明書

 →私の場合は、非常勤講師で勤務中の高校の校長先生に記入頂きました。この時点で会社に在籍中の場合は、おそらく必要ないと思われます(他の特別免許状先生談)。

・身体に関する証明書 →医療機関で取得必要(聴力、視力、所見のみ)

・修了証明書

 

 ちょっと面倒なのが、身体に関する証明書です。私の場合、健診関係は以下のものが必要でした。

①臨時免許状申請時(11月頃) → 聴力、視力、所見

②非常勤講師採用時(11月頃) → X線

③採用前健康診断(1月頃)    → 採血等一通りの検診 ※これだけ無料

④特別免許状申請時(2月頃)   → 聴力、視力、所見

 健康診断結果は半年有効なので、1回の検診で使い回すこともできますが、当然知らなかったため、都度健康診断を受ける必要があり、無駄に診断料(4000円くらい)や時間が必要になりました。

 私のように、非常勤講師として働く場合には、臨時免許状取得時に、特別免許状用の診断書も併せてもらっておくといいと思います。また、企業でまだ働いている場合でも、採用前健康診断の結果を2部出してもらう等しておくと、特別免許状申請の際に楽だと思います。(この辺のタイミングや必要な健診項目は自治体によると思います)

 

 更に面倒だったのが修了(卒業)証明書です。

・臨時免許状授与確認・申請(修了証明書+成績証明書)

・内定後提出書類

・特別免許状申請

(・私立高校の採用試験の応募にも必要)

に必要となり、これも都度出身大学へ請求することになり面倒でした。公立の採用試験の応募の段階ではいらなかったと思いますが、5枚ぐらい一気にもらっておくことをおすすめします。

 

・赴任校決定

 今年の場合は、3/23に連絡があるようです。その後4/1までの間に、「全員出校日」みたいなのがあるらしく、新規採用者、異動者含め、新年度の先生が全員赴任校に揃う日のようです。

 ちなみに、現職の先生の異動も大体同じ時期まで分からないそうです。新年度の担任や分掌の割り振りは、学校によりますが、4月に発表されるところもあるらしく、引継ぎとかどうしてるのか気になるところです。

 

・その他(ちょっと面倒に思うこと)

 今回面倒なことばかり書いている気がしますが、内定後の採用関係の書類はほとんど紙で郵送されるのですが、返送時に毎回、返信用封筒+切手を要求されます。元が税金なのでお金の使い方にシビアなのかもしれませんが、それくらいは必要経費でいいのでは?と思わなくもないです。送られてくる書類もA4数枚とかなので、いっそメールで送ってもらって自分で印刷した方がお互いにコストがかからないのではと思ったりします。(特別免許状や臨時免許状の申請関係書類は、全部メールで来るんですよね。今の時代ならこっちをデフォルトにして欲しいものです)

非常勤講師と先生の仕事

・非常勤講師

 その後、臨時免許状の申請が通り、非常勤講師として働くことになりました。募集は週3コマだったのですが、教員初めて等の事情を考慮されて、週4日、週15h勤務となりました(午前か午後どちらか勤務のような感じ)。担当が3年生のため、教科書も終わりかけで授業をするというよりは正規の先生のサポートをする形です。授業以外の時間は他の先生方の授業見学や校務のお手伝いをさせて頂いています。

 教育委員会や、学校の先生方にもかなり配慮頂いており、大変ありがたいことです。また、特別免許状で採用された先生も数名いらっしゃり、色々と話しを聞かせてもらえています。4月の正採用に向けてとても良い準備ができそうです。

 

 非常勤講師の待遇ですが、授業コマ数で契約する場合と週勤務時間で契約する場合があるようで、今回は後者になります。詳細は下記のリンクにありますが、週15hだと月約10万円の給与でした。教員用の健康保険や年金等は、週15hだと加入できません。

京都市教育委員会事務局:講師の勤務条件等について

 

・先生の仕事

 まだ日が浅いですが、色々と疑問に思っていたところ中心に記載します。

 

<授業>

 京都市特有かもしれませんが、意外とICTは進んでいます。生徒も先生もiPadを持っており、授業の資料共有、連絡事項の共有、課題発信と回収等に使用できます。スクリーンに簡単に繋げられるようになっており、授業中にファイルを映したり、生徒が発表したりできます。カメラも結構使用されていて、先生の書いたちょっとした説明を生徒が写真に撮ったり、発表会のような場面では動画を撮ったりしていました。

 授業のやり方は人それぞれで、従来の黒板タイプの方も、ワークシート(プリント)の方も、パワポでやる方もいらっしゃるみたいです。アクティブラーニングが大事と言われていますが、授業進度に追われると中々授業中に時間を取ることが難しそうに見えます。

 授業の作り方は、一から自分で作ってもいいし、他の先生の教材をもらってもいいようです(くださる先生なら)。企業だと資料は使い回しが基本ですよね。人の作った資料でプレゼンするのは結構難しいので、個人的には教材をもらって少しアレンジする形でやっていけたらと思っています。

 

<コマ数>

 週15コマくらいが標準?のようです。教科主任や分掌の主任等だと授業のコマ数は減る(のかもしれません)。理科の場合2科目くらい担当するのは当たり前で、高校で履修しなかった生物をやることになった先生もいらっしゃるそうです。

 1クラスの授業は週2~3コマ(単位数による)なので、例えば3年化学と1年化学基礎と3年物理を担当したとしたら、週に7-8コマくらいは新しい授業を準備しないといけないわけですよね。恐ろしいことです。

 

<授業準備>

 プリントの印刷が大量にあります。ICTが進んでいるとはいえ、データだけで授業が済むかと言えば、やはり印刷してほしいとの生徒の要望も多いようです。パワポだけの授業は楽そうですが、生徒が何かしら書いたりするような作業がないと退屈しそうですし、書き写すことで記憶が定着しやすい面もあるのではないかと思います。プリント準備は作成も含めかなり時間を食いそうです。

 

<テスト>

 1学年の1科目を複数の先生が教える場合がありますが、基本テストは1つで共通のようです。テストが一緒である以上、進度は学年で合わせる必要があります。授業内容も先生による違いが無い方が良さそうですが、先生毎の考え方もあるので、異なってしまうのかなと思います。

 

<校務分掌や部活>

 先生には担任or校務分掌 + 部活がそれぞれ割り当てられているようです。校務分掌の内容はまだよく分かっていません。

 どの先生にも部活が割り当てられていますが、雰囲気だけ見るとうまく分担されているように思います(大変な運動部顧問だと校務の方を減らされたりとか)。あとはやる気ややりたいかどうかなのかなと思います(やろうと思えば無限に仕事があるように思います)。

 

<その他>

 先生方は皆さん優しいですね。分からないことがあれば誰かしら助けてくださいます。逆に、非常勤だからというのもあるかもしれませんが、まとまった説明はほとんど無いです。企業だとよくある「新人はこのフォルダ見ればだいたい分かるから」みたいなものは無いようです。隣の席の先生が1年目ということで、校内地図等必要そうなものをくださいました。

 非常勤かつ時期的なこともあって、あまり生徒や校務に深く関わる感じではないです(実際は自分が関わるかどうかなのですが…)。若干不完全燃焼感はあるのですが、4月からはどうせ忙しくなるので、今は準備の時間に充てさせて頂こうと思っています。とりあえずは教えられる程度に教科の勉強をしているところです。 

 

 

 また追加で分かったこと等あれば更新したいと思います。

内定後の動き1 研修等

 内定通知と一緒に、4月までにやることが送られてきます。基本は一般内定者と同じ内容が届きますが、別途、特別免許状前提内定者へ連絡があるようです。

 

京都市(高等学校用)

 研修①採用前研修会 10月

  講義:期待すること、倫理について、高校教育について

  動画(自宅学習):京都教師塾特別講座の内容

 

 研修?②面接 12月

  主に、教員免許の取得状況の確認がされるようです

 

 研修③学校現場研修1月~3月

  学校現場経験の無い人(教育実習のみの人も含む)向けの3日間現場研修

 

〇特別免許状取得

 教育委員会から連絡があり、手続きについて説明がありました。

 申請用書類作成(10月) → 授与協議委員会(12月) → 合否決定(2月)

 申請書類は、履歴書、自己推薦書、研究概要等です。書類提出後の授与協議委員会に出席して面接する必要はないようです(必要書類や面接有無は自治体によって違うかもしれません)。

 

〇常勤講師の案内

 私は8月末で退職していたのですが、4月までの間、常勤講師として働きませんか?と案内を頂きました。講師は人員補充で採用されるものですが、この話はそれとは別で、研修目的(?)で採用頂けるようです。非常にありがたい話です。

 特別免許状の授与は3月31付けになるため、講師として働くなら臨時免許状を取得することになります。こちらも教育委員会から手続きの案内がありました。京都府の場合は大学・大学院の卒業証明書、成績証明書で審査されるようです。下記のリンクの記事によれば、「理科の3分野以上の単位をあるレベル以上の成績で取っている人」であれば良いようです。3分野履修している人は少ないような気もしますが、申請が通れば、またブログに記載したいと思います。

京都市立堀川高等学校 校長 恩田徹 氏

 

茨城県(高等学校用)

 配属校は3月中旬頃に連絡。それまでに以下の研修があるようです。

 

 研修①動画視聴 1月

    ・教員となる皆さんに期待すること

    ・講義:メンタルトレーニン

 

 研修②双方向型オンライン研修(zoom) 3月

    ・オリエンテーション

    ・講義、実践発表、研究協議等

 

 研修③配属校での事前研修   3月

 

 こちらは辞退したため、特別免許状の手続き等は不明です。

 

・その他

 教育実習も受けてないため、学校経験なしに4/1を迎えるのかなと思っていましたが、どこの自治体でも現場研修があるようです。無ければ無いでこちらからお願いしようと思いましたが、京都市の場合はかなり手厚くサポート頂けるようです。

 

 配属校の決定はやはり3月頃になるのだと思います。採用に伴う旅費等は、自治体によって取り決めがあると思いますが、内示後に引越すことが必要だと思います。実際3月中旬とかに内示が出て、そこから4/1までに物件探して引越しというのはかなり大変なので、引越代は自腹になってしまうのかなと思います。ここは教育委員会に要相談ですね。

合格しました

 前回の記事の通り、2つの自治体で内定を頂きました。

 

 京都市は模擬授業がひどかったこともあり、正直あまり受かる気はしなかったのですが、無事合格できました。茨城県は全体的に無難に終わった感じです。

 

 自分自身の経歴や、受験時の手ごたえ等下記に記載します。少なくともこのくらいで合格できるという参考になればと思います。

 

<今回の受験のまとめ>

・受験科目 高校・理科

・経歴 旧帝院卒(工学) → 民間企業で約10年研究開発

・試験の手ごたえ

 模擬授業はひどい出来でしたが、面接や小論文などは無難にできたと思います。

 

 集団討論等で他の受験生を見ている限り、私よりも面接等を上手にされている方は多いと思います。それでも高校の倍率は~10倍程度あり狭き門です。そう考えると、この特別免許状前提の教員採用試験は、やはり学歴や経歴が重視されているのかなと思います。もしくは、文科省から令和3年に出された指針のように、外部人材を積極的に採用しようとする流れがあって(想像ですが)、それにうまく乗れたのかな、とも思います。

 

 ひとまず内定しましたが、本当に大事なのはこれからです。内定通知と共に、今後4月までのスケジュール等も届きましたので、今後は、内定後の動きや待遇等について、分かり次第記載していきたいと思います。

 

特別免許状前提の教員採用試験の内容

 私の受験した3か所の自治体の内容について記載します。受験科目は理科です。

茨城県

②愛知県

京都市

 

 

茨城県 1次、2次合格

1次試験:教職専門のみ、教科専門は免除

マークシート方式

・配点は教職専門150点、教科専門200点(免除の場合は満点扱い?)。

・茨城以外にも東京会場や名古屋会場で受験可能です。

・教職専門は自己採点で7割でした。

 

2次試験:集団討論、個人面接、小論文

<集団討論>

・集団討論は10人前後のグループ(同じ理科の一般受験者)で一緒に討論する。

・テーマは「47都道府県のブースを出展して来場者数1位になるには」

・教育色の薄いテーマで他参加者も面食らったとのこと。一般受験者はしっかり訓練して来ていて、自己主張しつつも周りの意見を聞こうとする人が多いのでやりやすいかと思います(運次第では、他者否定し続ける大変な人と一緒になる場合もあるそうです)。

 

<個人面接>

・1次試験合格後、自己PR書を記載して送付する。

・面接官3人、1人は主に自己PR書の内容について、1人は学校について、1人は自分の高校生活について、みたいな感じでした。一般受験者の場合、模擬授業か場面指導があるとのことでしたが、私の場合はありませんでした。

 〇自己PR書のICTの利用が3点(4点満点)なのはなぜか?むしろ得意では?

 〇部活等教員の長時間労働も問題となっているがどのような印象を持っているか?

 〇高校時代の経験で教師を目指したのか?

 

<小論文>

・2つの文書を読んで、共通する内容とそれに対する自分の意見を書く。

・文章はA4 1枚ずつ程度あり、読み応えがあります。読解力がある人なら短時間で要点を把握して、余裕をもって書き終えることができると思います。茨城県独自のスタイルのようですが、個人的にはとてもいいスタイルだと思います。

 

②愛知県 1次不合格

1次試験:教職+一般教養、教科専門、小論文(2次試験用)

・筆記はOCR方式(番号を書くマークシートみたいなもの)

・配点は教職教養100点、教科専門100点。

・社会人経験者枠で加点+10点

・結果はどちらも約7割で落ちました。おそらく受験生の平均点程度だと思います。高校の倍率は約7倍でしたので、上位30%くらいには入る必要があったと思います。

 

<教職+一般教養>

・穴埋め式の選択問題です。2つの問題に対し、正解の組み合わせを選択する形式で、全組み合わせ(例えば4択×4択→16通り)から選択するので、けっこう難しいです。過去問も解いていたのですが、問題の大半が教育指針等からの出題になっており、教育史や教育原理等の問題はほとんどなかった印象です。一方で選択肢の内容が易化しており、明らかに違うものが多くみられました。おそらく、ノー勉でもしっかり勉強していても、間違える場所はほぼ同じになるのではないかと思います。得点差がつきにくく、平均が高かったのでは?という印象でした。

・一般教養は例年通りかと思いました。

 

<教科専門(理科)>

・4科目(物理、化学、生物、理科)の共通問題と1科目選択の選択問題からなります。志願時に理科の科目も記載するのですが、選択問題はどの科目でもよいようです。

・私はセンター試験の過去問(化学基礎、物理基礎、生物基礎、地学基礎)を勉強して臨みました。生物、地学は高校で履修していませんでしたが、センター試験の問題と同じ問題もありましたので、少しでもやっておくべきだと思います。

・化学は高分子まで勉強できておらず、選択が高分子の問題だったため、物理を選択しました。

 

京都市 1次、2次合格

1次試験:個人面接、筆記は免除(代わりに論文予定だったが、コロナの影響で中止)

・特別免許状前提の受験者は別枠評価のため、配点は特に意味なし。

 

・入室するなり「あなたは新年度に着任して初めてのクラスでHRをします。あなたの経験も交えて自己紹介してください」との場面指導?。考える時間もなく、普通に初対面の人に挨拶しただけになりました。

 面接でこういった場面指導は多いようですが、実際に同じ状況になったら、前もって話の内容準備すると思うんですよね。内容よりは沈黙してしまわないか、とかを見ているのでしょうか?

・面接は対話的に行われました。1問1答ではなく、答えた内容にどんどん質問がくる感じです。

・一番困ったのは場面指導です。「ある生徒の親から学業に専念させたいので部活を辞めさせたい、と相談があった。どう対処するか。」(もう1~2問あったが失念)。自分でしゃべりながら、面接官の顔を見ると、間違ったこと言っているのではとどんどん不安になります。正解のない問題ではありますが、私の場合は対話を心掛けることを中心に話したと思います。

 

2次試験:集団面接、小論文、模擬授業

<集団面接>

・理科の一般受験者5名程度と一緒に、あるテーマについて議論し、時間内に結論をまとめます。

・テーマは令和4年度から始まる新学習指導要領について、令和2年の時点で授業内容と評価方法についての準備として何をやっていくか、というものでした。

・司会を決める必要があるのですが、ここでもしっかり訓練された受験生が手を挙げてくださって、議論はスムーズに進みました。一般受験者の方は本当によく準備されています。

 

<小論文>

・例年通りです。ICTをどのように利用するかと、自転車の飲酒運転をどう考えるか(100字程度)でした。

 

<模擬授業>

・当日に理科の教科書の一部が配布され、指定された範囲の指導案を80分で作成します。

・理科は4科目分配布されるので、得意な科目で実施。

・指導案作成後、すぐに模擬授業なのかと思っていましたが、実際には朝一で指導案作成、午前中は集団面接、昼休み挟んで午後に模擬授業という流れでした。午後も1人ずつ試験を受けるので、自分の番は15時頃となり、授業での立ち回りを考える時間は十分にありました。

・指導案は難しいですね。ネット上で指導案を検索するとたくさん出てきますが、理科の場合、実験授業の指導案はたくさんあるのですが、ただ授業をする場合の指導案はほとんど出てきません。今回、化学基礎の範囲は「半反応式」だったのですが、教科書には様々な物質の半反応式が紹介程度に羅列されているだけで、正直何を授業しないといけないのかよく分からなくなりました(私の受験当時は暗記必須だったと思うのですが、化学基礎に変わって入試に出るのかも分からない状態でした)。ワークシートで半反応式の作り方を勉強してもらうことにしましたが、指導案は8割、板書計画は半分程度しか記入することはできませんでした。

・模擬授業は、半反応式に関連して、釘の錆について考える導入にしました。面接官の反応を聞いても、内容が難しすぎるようでした。頭の中では、こんな授業すると面白いのでは?と考えるのですが、やはり生徒の受け取り方には大きなギャップがあると思いました。

・指導案作成~模擬授業では授業力の無さを痛感します。やはり実践経験がないので理想と現実のギャップを把握したり、それを埋めることができません。コロナの影響がなければ、おそらく他の受験者の模擬授業を見る(生徒役として)こともできたと思います。それができなかったのは残念でした。

 

 

 

特別免許状について2

特別免許状の制限

 特別免許状には、取得した都道府県のみで有効という制限があります。これは、将来的に地元の都道府県に戻るとか、県を移る場合に非常にリスクがあると考えます。普通免許状を所持していれば、他県でも講師などで働くことができる可能性があります。しかし、他県で有効でない特別免許状では、また1から採用試験を受けて合格しないと教員になることができません。

 ここでは、特別免許状を取得した後に、他の免許状を取得する方法について調べたことを記載します。

 

特別免許状取得後にその他の免許状を取得する方法

 教員免許の制度として、上進というものがあります。これは、普通免許状(1種)や特別免許状を、専修免許状という大学院卒レベルの免許状にランクアップできる制度です。専修免許状になれば、都道府県の制限はなくなるので、全国で働くことができます。

 

・特別免許状から専修免許状へ上進する方法

 必要な単位を大学院等で取得し、申請することで上進できます。

 文科省のwebサイトに上進に必要な単位数等が記載されています。

別表第三(第六条関係):文部科学省

 

 高校の特別免許状を上進する場合、在職年数3年と、25単位の取得が必要です。25単位の内訳は、教職科目の単位が15単位、大学院での専門科目の単位が10単位です(これは申請する自治体によって異なるかもしれないので、要確認です)。

 

 注意しないといけないのは、この単位は特別免許状取得後に取得した単位と定められているところです。もし、学生時代に教職等の一部の単位を取得していたとしても、この必要単位には計上できないということになります(もしそうでない情報をお持ちであればコメントください)。

 

・専修免許状へ上進後、他の校種の免許を取得する方法

 上進は特別免許状の校種のみ可能です。例えば、東京都などは中高の免許を所持していることが、教員採用試験の前提条件になっています。中高一貫校は、近年公立でも増加傾向にあるので、高校のみや、中学のみ、の専修免許状を取得できたとしても、希望する自治体を受験することはできないかもしれません。

 

 教員免許状には、隣接校種(高校と中学、中学と小学等)の免許状を取得する方法があります。これを使えば、専修免許状に上進後に、隣接校種の免許状を取得できます。こちらも上進と同じく、大学等での単位取得が必要です。

 下記の明星大学のwebサイトによると、高校の普通免許を持っていて、中学の免許を取る場合、高校普通免許状取得(専修も普通免許状に含まれます)後に3年間の実務経験と、9単位が必要とされています。また、この時取得できるのは、2種免許となります。東京都などでは、普通免許状(1種、2種、専修)であれば種類は問わないようです。

免許法第6条「別表第8」による取得方法 | 明星大学通信教育課程

 

 更に、中学2種免許から中学1種免許へ上進することもできます。この場合も経験年数と単位取得が必要です。

 

 以上のように、高校の特別免許状を取得してから、中学の普通免許状を取得しようとすると、

 ・専修免許状   実務3年 +大学院での専門単位 + 教職単位

 ・中学2種免許状  実務3年 + 教職等単位

が必要になります。記載されている内容をそのまま取れば、実務経験は、それぞれ必要になるので、最低6年かかります。更に、大学院への入学(通信制もあります)と、教職単位取得のための大学への入学が2回必要になり、かなり費用的にも厳しいのではないかと思われます。教職の単位が使い回せるのであれば楽ですが、文科省のリンク先の文言等をそのまま受け取れば、教職の単位を何度も取得する必要がありそうです。

※もし、実際はその必要がないようであれば、コメント頂ければと思います。

 

・特別免許状取得後に普通免許状を取得する

 結局、通信制大学等で、普通免許状を取得するのが一番早いかもしれません。中高の普通免許(1種)であれば、まとめて最短2年で取得可能です。ネックなのは教育実習の必要がある点です。中学の1種免許状取得には、3週間の教育実習が必要になります。すでに教員になっているわけですから、一から教育実習を受けるよりは楽でしょう。しかし、勤務先の高校を3週間休む必要があるため、学校の理解を得ることが必要になると想像します。

在籍企業を辞めるタイミング

 在籍している企業を辞めるタイミングはいつがいいのでしょうか。

 

教員採用内定から勤務日までの期間

 公立の教員採用試験の場合、およそ9月末~10月頭に結果が発表されますが、実際に働き始めるのは翌年の4月からになります。10月に内定をもらって会社を辞めた場合、4月までは収入が無くなってしまいます。

 

雇用保険(失業給付金)をもらう

 会社を辞めても雇用保険で収入が得られると考えると思います。しかし、辞めるタイミングによっては失業給付金を受給できない場合があります。

 

 <①内定後に会社を辞めた場合>

 内定がある状態では失業給付金の申請ができないようです。よって失業給付金は受給できません。収入が無くなると困る方は、在籍企業で3月まで働き続ける方がいいかもしれません。ただ、内定後には学校生活への準備もしたいですし、悩みどころですね。

 

 <②内定前に会社を辞めた場合>

 採用試験の結果が出る前に会社を辞めた場合は、失業給付金の申請ができます。ただし、申請の日に内定が出ていない状態である必要があります。申請には「離職票」が必要になり、退職日から1週間後くらいに送付されるため、退職日を試験結果発表日直前にすると、申請が内定後になる可能性があります。9月末に結果発表があるなら、退職日は8月末くらいにした方がいいでしょう。

 

 会社を辞めるなら、内定がある状態で辞めたいですが、失業給付金を受給するならば、内定前に辞める必要があります。転職の決意が固いならば辞めてもいいと思いますが、特別免許状前提の採用試験はいかんせん未知ですので、非常に悩ましいです。

 

雇用保険(失業給付金)をもらう上での注意点

 ・受給期間は最低90日、10年在籍なら120日

 ・内定後も就職活動を継続しなければならない

  →失業給付金受給には4週間毎に2回以上の就職活動が必要です。

   内定後も受給を継続するには、よりよい就職先を探す活動が必要です。

   詳しくは調べてください。

 

会社を辞めてから教員採用試験を受ける場合の注意点

 一部の自治体(愛知県等)では、「出願時点で企業に在籍していること」が応募条件になっている場合がありますので、まずは要項を確認ください。