特別免許状について
・特別免許状について
特別免許状は、大学で普通免許状を取得していない人でも「教科に関する社会人経験」がある人に対し授与されるものです。
・特別免許状の授与件数
文科省のサイトにデータが記載されています。
↓ ~平成27年度までのデータ
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/katsuyou/1385306.htm
↓ ~平成30年度までのデータ
https://www.mext.go.jp/content/20210514-mxt_kyoikujinzai02-000014888_4.pdf
制度自体は昔からありますが、授与件数(私立含む)は
~平成14年 : 年間10件以下程度
~平成26年 : 年間50~100件程度
平成27年 : 215件 (内、英語97、看護35、理科12、工業11、数学11件…他)
平成28年 : 186件
平成29年 : 169件
平成30年 : 208件
年間に採用される新規教員は公立だけでも約35000人なので、特別免許状で教員になっている人は1%未満となります。ほとんどは英語や看護で授与されています。
平成27年に増えたのは、平成26年に特別免許状に関する指針が出されたためのようです。令和3年にも新たな指針が出されたため、昨今の教員不足の問題から、特別免許状により教員になる人は増えるかもしれません。
↓ 令和3年に出された指針リンク
・特別免許状の取得方法
基本的に以下の手順で授与されるようです。
①採用者(学校)が教育委員会へ申請(推薦)
②教育委員会による「教育職員検定」 → 合格により授与
<①採用者(学校)が教育委員会へ申請(推薦)について>
公立の場合、地方自治体で毎年行われている教員採用試験を受験し、合格することで推薦がもらえるようです。一部の地方自治体では、普通免許状を所持していなくても、特別免許状前提の教員採用試験を行っています。試験内容は、一般の受験者と全く同じ場合もありますが、一部の試験が免除される場合があります。
特別免許状前提の試験を行っている自治体は数あるいは教科が限られます。例えば、高校の場合、茨城県(全教科)、京都府(英理情工農保)、京都市(英理数工保)、愛知県(理数工情看福祉水産)、埼玉県(看護、自立)のように、自治体によって異なります。まずは、志望したい自治体で、4月頃に掲載される要項で、募集があるかどうか確認することになります。
下記の文科省のリンク先に、各自治体の特別免許状の活用状況が掲載されています。英語や工業といった科目は多く募集がありますが、社会や理科等の募集がある自治体はかなり限定されます。また、年によって募集の有無は変わるようですので各自治体のHPでご確認ください。
私立の場合はよくわかりません。HPなどで採用情報を見ても、普通免許状所持が必須となっています。私立の方が、特別免許状の授与数は多いという記事もみかけました。学校とのコネクションがあるとか、学校側からお願いされてとかで、授与されるのかもしれません。意外と問い合わせてみれば対応頂けるのかもしれません。
(追記)
私立でも特別免許状前提の採用をされている例がありました。
開智学園では修士号or博士号の所持者を対象として、教員免許を持っていない人も募集されているようです。
<②教育委員会による「教育職員検定」について>
公立で教員採用試験を通過後、教育委員会へ特別免許状の申請をします(免許状は普通・特別問わず、教育委員会が授与します)。この時に、「教育職員検定」を受ける必要があるようです。教員採用試験を通過しているため、この「教育職員検定」が形だけのものなのか、筆記や面接があるのかは分かりません。
判明しましたら、後日追記したいと思います。
次回は「特別免許状前提の教員採用試験」についてです。